脳波によってAI機械学習を効率化、人中心の超スマート社会に向けて

人工知能の産業・医療分野での活用、社会実装が進む昨今、その導入課題も浮き彫りになりつつある。「AIモデルを開発するための教師データが足りない」、「アノテーションコストが高い」、「AIが出す結果がブラックボックス化されている」といった声が、AIの利活用を検討する人たちから聞こえてくる。

機械学習アルゴリズムに必須の教師データを効率的に増やすには、注釈付きデータによってパターン認識させることが重要だ。そのため、AI開発時にはタグが付いた状態のデータを用意することが必須となる、データにタグ付けを行う「アノテーション」は機械学習に不可欠なプロセスになっているという。マクニカは19日、「BrainTech」の世界的リーダーであるイスラエルInnerEye社のソリューションを提供開始すると発表した。

インナーアイの技術は、脳波とAIを組み合わせたものであり、機械学習に欠かせないアノテーションを効率的に行うことを可能にする。人間とAIの組み合わせによって、大量の教師データが十分になくても、人間の知識や経験や勘などをテクノロジの力によってデータ化することで、AIの可能性を高めることができる。人間の脳の活動を理解し、その知見をビジネスに活用する「BrainTech」はAIの社会実装を加速化する起爆剤になる可能性があるという。

マクニカは、デジタライゼーションによる第四次産業革命、Society5.0に向けた先端テクノロジやソリューションを提供――これらの分野で必要不可欠な最先端テクノロジが「AI」であるとして、さまざまなAI関連ソリューションを数年前から提供してきた。そしてこのたび、脳とテクノロジを融合する「BrainTech」への取り組みを始めた。

日本から海外、海外から日本へ、各国で生み出された優れたソリューションを素早く展開し、その導入を支援し、顧客課題の早期解決を促進していく考えだ。