団体向けTOEICオンラインテスト、監視員がAIに

英語が母国語でない人々を対象に、英語によるコミュニケーション能力を測るテストだと英語で説明された「TOEIC」と筆者の出会いからおよそ35年――。コロナ禍下でのテレワーク、オンライン授業の導入もあって、企業・団体での研修やテスト実施方法は多様化しているという。

IIBCは、場所や時間を選ばずに実施できるオンライン方式のIP(Institutional Program)テストを今年4月に提供開始。約1,100の企業・学校に活用されている、オンライン試験では「本人確認」や「不正行為の防止」が課題であったため、7月27日にリモート試験官サービスを導入した。遠隔で人による試験監督を行う場合、受験者たちは所属団体が定めた試験の開始時間に合わせて、一斉に受験する必要がある。

TOEIC Listening & Reading IPテスト(オンライン)およびTOEIC Bridge Listening & Reading IPテスト(オンライン)について、IIBCは現在、人工知能(AI)を活用した試験監視サービスの開発を進めていて、これを来年3月に開始する予定だと発表した。新たなサービスでは、受験中の様子を録画したデータをAIが事後解析するため、テスト・セキュリティの向上と、一人ひとりの最適な時間に合わせたテスト実施とが可能になる。

「AI監視サービス」と仮称している。上記新サービスは、資格・検定試験各種ソリューションを提供するイー・コミュニケーションズが開発中のRemote Testing AIアナリストを利用。Webカメラで撮影した試験中の受験者動画をAIが解析し、不正の可能性が高い行動を検知した際には、その検知結果が受験団体の担当者にフィードバックされるという。

3月以降、IIBCは、TOEIC Programの全てのIPテスト(オンライン)でのAI監視サービス提供を順次進めていく構えだ。