MVNOサービス基盤をすべて仮想化、5G時代へ

スマートフォンが普及し、動画や音楽のストリーミング配信が台頭している。通信量がいっそう増加傾向にある昨今、日本でもMVNO(仮想移動体通信事業者)の存在感が高まっていて、全般的には、高速・大容量、低遅延、多数同時接続を特徴とする「5G」への期待が膨らみつつある。

個人ユーザーに向けて、スマホで通信量を気にせず、対象サービスの動画や音楽が楽しめるオプションを提供している。現在、コロナ禍により、人々の働き方はテレワークへと急変し、通信トラフィックも急激に変化した。それらを支えるモバイルコアシステムは専用ハードウェアで構成されていて、柔軟性や拡張性に課題があったという。

BIGLOBEは、5G時代に向けてモバイルコアシステムにNECの仮想化対応MVNOソリューションを採用し、全面的に仮想化されたモバイルサービス基盤を導入した。同ソリューションでは、5Gの特徴的技術であるネットワークスライシングにて用途ごとにネットワークを論理分割、モバイルコアシステムの各ノードにはNEC製P-GWやTMSだけでなくマルチベンダ製品を用いていて、LTEと5Gの要件に対応できる、全て仮想化ソフトウェアで実現している。

新たなサービスを提供する際にも、ネットワークスライスを追加するだけで必要な論理ネットワーク構成を達成できる。将来的にはソフトウェア更新によりAI活用リアルタイム分析や自動通信制御など、最新技術を適用してサービス設計・検証を自動化し、MVNOサービスインまでの所要工程を効率化しつつ、最適なネットワークを迅速に提供できる。

統合管理ツールMANO(openstack/tackers)により、障害発生時にもバックアップシステムの自動構築が可能で、機器の交換作業を7割削減できる。リモートと自動が軸のスマートオペレーションにより、通信トラフィックの急増にもソフトウェアで即応でき、品質向上も実現するという。