ドローン×ソフトウェア、モノを運び移すシステムの商用化へ

小型無人航空機ドローンはいま、離島や山間部での商品・医療品配送、プラントや社会インフラの保守点検、災害発生時の状況把握や捜索活動支援といった領域にまで活躍の場を拡大しつつある。いずれ都市における物流デジタルトランスフォーメーション(DX)の一翼を担うとも目されている。

「空の産業革命に向けたロードマップ2020」(官邸PDF)に社会実装レベル4――物流・警備等における目視外(補助者なし)、有人地帯でのドローン活用が想定されている。そこで配送以外にも、「モノを運搬する」ニーズ拡大を実感しこれに着目したという。ACSLA.L.I.は今月17日、安全なドローン運搬システムの構築に向けた連携開始を発表した。

物流・インフラ点検・災害領域で産業用ドローンを社会実装し、様々な現場の課題を解決している。ACSLは、国産中型ドローンACSL-PF2および小型ドローンMiniをあらゆる環境・課題に適合させながら市場を拡大してきた。今年8月に中期経営方針「ACSL Accelerate 2020」を公表し、上記レベル4に関する規制整備が見込まれる中、よりセキュアで信頼性の高いドローンの開発・量産化を推進している。

一方A.L.I.は昨年11月の大型資金調達以来、出資した多くの事業会社と協働している。社内にて機体の開発・カスタマイズを行う体制を有し、顧客の意見を元にした独自機体の開発にも注力している。そして、今回の連携によって、高品質な運搬システムの構築を迅速にする――新たな社会実装に向けたメイドインジャパンのドローンシステムを確立できるという。

ACSLの産業用ドローン・ハードウェアテクノロジと、A.L.I.のソフトウェアテクノロジを組み合わせることで、運搬システムの信頼性向上と早期実用化を可能にする。両社はすでに具体的なクライアントニーズも獲得している。同システムの来年度商用化を目指している。