紙の産業文書を自動かつ包括的にデジタル化する

およそ20年前から生産年齢人口が減り続けている。日本は他の先進国よりもその減少傾向が顕著であり、働き手不足による低生産性という課題が顕在化している。昨今、さまざまな産業分野においてAI・IoT・ビッグデータなどを活用した業務効率化が求められている。

労働人口等の国際比較を示した内閣府PDF資料をひも解くまでもない。産業界においては、そして今では行政機関においても、セキュリティ面や保管場所の確保といった課題から、紙書類のデータ化ニーズが高まっていて、紙帳票情報をデジタル化するサービスが注目されている。

そこで活躍するはずのOCRは従来、予め設定した定型書式のみに対応し、認識できる帳票が限られていた。近ごろ人工知能を搭載したAI-OCRがデータ化と自動化の範囲を飛躍的に広げつつあるものの、一般的なそれは決算書・契約書といった複雑な形式の帳票に未対応で、これが課題になっているという。

TISインテックグループのTISは17日、AI-OCRと業務システムのノウハウを集約して紙帳票を扱う業務プロセス全体を自動化する「紙帳票デジタル化トータルサービス」の提供開始を発表した。3つのサービスメニューすなわち、紙帳票デジタル化コンサルティングサービス、紙帳票デジタル化ソリューション導入サービス、帳票デジタル化システムインテグレーションサービスにより、紙帳票業務を自動化・効率化する。

高い認識技術を誇るAI-OCRソリューションのPaperoidや、AI活用で財務情報登録業務を自動化するSCORE LINKなどの自社製品を組み合わせ、さらに大規模システム構築で培ってきたシステムインテグレーションのノウハウと業務・業界知識で、業務効率化を総合的に支援する。TISの顧客企業は多種多様な紙帳票からのデジタルデータを利活用して、新たな収益機会の獲得や既存事業の生産性向上など、付加価値を実現できるという。