ニューノーマル時代に新たな価値を創出する町を構築

近ごろ多様化・複雑化する社会、この世の中における課題を行政だけで解決することは困難になっている。一方企業では、社会的価値の創出が注目されている。いま、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が人々に新しい生活様式への対応を迫っている。

コロナ禍の拡大に伴いコミュニケーションのあり方が一変した。子育て・教育や介護など様々な領域において、行政と企業のサービスや働き方の変革が求められ、これまでの延長ではない「ニューノーマル」を積極的に生み出すことが社会全体で必要になっている。そこで生活者とともに新しい課題設定やプロトタイプ開発・検証を行う「リビングラボ」は、一層重要性を増している。

一般的な「リビングラボ」には地域との関係持続性をめぐる課題があり、企業がその地域を仮説検証フィールドとして捉えてしまえば、生活者視点での新たな社会課題の探索機会となり難い。乗り越えるべき課題があるという。奈良市および同市で創業支援施設「BONCHI」を運営するTOMOSUと、NTT西日本の3者は今月10日~来年10月末、「社会課題の解決と新たな価値創出を実現する奈良リビングラボ構築に関する共同実験」を行う。

奈良市は政策課題の共有および地域とのコミュニケーション、TOMOSUは「奈良リビングラボ」の事務局(協働ハブ)、社会課題解決の主体、場の運営、NTT西日本はリビングラボの知見(関連情報:19年8月ニュースリリース)提供を担当する。3者が共同し、1300年前からまちである地域にて、多様化・複雑化する社会課題への対応と、地域を基点とした全く新しい価値創出を実現する仕組みの構築をめざす。

このたびの取り組みが社会的価値を生み出すことに関心のある法人を積極的に呼び込む。地域で新しいことに取り組む機運を高め、地域の企業や人々によるチャレンジや創業を促し、「新たな価値を創出するまち」を実現していく考えだという。