DCキャンパス内の無線通信ラボでモバイル技術を極める

超高速・大容量、低遅延、多数同時接続が特長のローカル5Gや、プライベートLTE(sXGP)など、先進的な無線通信技術を実務に活用したいとの声は多いが、ほとんど具体的な利用シーンないし導入要件の検討に到っていない。

それら先進技術の多くは未だ標準化や製品開発、法整備等が進行中であるために。市場で調達可能な対応機器が限られ、無線技術の特徴やパフォーマンス特性を検証・評価することが困難であり、実際の導入に向けてのイメージを掴みにくい状況だという。IIJは、白井データセンターキャンパス内に、最新のモバイル技術を体感できる実験施設「白井ワイヤレスキャンパス」を開設した。

今月9日より公開するという。新たな実験施設では、「プライベートLTEとパブリックLTEの自動切替」、「プライベートLTEを利用した警備ロボット(ALSOK製REBORG-Z)の遠隔監視と制御」、「Wi-Fi6」、「IoT向け無線通信技術である『LoRaWAN®』」、「ローカル5G SA(スタンドアロン方式)を模した有線接続による映像伝送」、「セルラーLPWA(LTE-M)とSoftSIM」といったデモが用意されている。

屋内外に無線基地局を設置したラボ環境を構築し、モバイル技術を用いた様々な実証実験を行ってきた。そして今回、顧客に最新の無線通信技術を実体験してもらえる施設として、同ワイヤレスキャンパスを開いたという。IIJはローカル5G NSA(非スタンドアロン)方式について、グレープ・ワン提供の地域BWAや5G NR(参考:総務省PDF)無線基地局を白井DCCに設置する予定で、ローカル5G無線局免許申請を進めている。

ローカル5G SAについては、6GHz未満の周波数帯(Sub6帯)割り当ての制度化に合わせ、21年6月以降に、国内メーカーのコアネットワークと無線基地局を組み合わせた5G NRによる検証環境を構築する計画だ。