リスク回避DX、取引相手の信用度を容易に高い精度で調査する

不透明社会となった昨今、企業が健全に事業展開するためには、ビジネスリスクを把握し管理することが必要不可欠になっている。新規に取引開始を検討する際には、コンプライアンスやCSR(企業の社会的責任)の観点から対象企業の信用調査を実施して、取引の可否判断を行っている。

現状ではしかし、企業による信用調査は、担当者がインターネットや新聞記事を検索して情報収集することが多い。企業形態は会社分割、吸収合併、移転などにより変化していて、一時点の情報だけでビジネス上正しい判断をすることが困難な状況である。一方、調査会社にそれを依頼すれば手間や時間、コストがかかり、ビジネスを減速させる要因になりかねない――。「健全性」と「スピード」の両立が課題になっているという。

日立ソリューションズ・クリエイトは、取引対象企業の信用調査業務において、商業・法人登記情報とインターネット上に公開されている情報を用い、対象企業に関する情報を効率よく抽出することで取引可否の判断を支援する「企業信用調査支援システム」を今月5日に発売した。同システムは商業・法人登記に記載された「商号」「役員氏名」等を自動抽出し、現在及び過去の会社情報を収集する機能を備えている。

会社分割、吸収合併、移転があった場合にも、登記情報を基に過去に遡って信憑性の高い情報を容易に取得することができる。これまで時間がかかり難しかった情報収集をより広範に、スピーディに進められる。同システムではさらに、インターネット上に公開されている新聞記事などの各種情報からコンプライアンスやCSR関連のキーワードとあわせて検索でき、問題の有無を確認することが可能となる。

これにより、総務・調達部門の担当者は、煩雑で手間のかかる作業を削減、出力した結果から取引リスクに応じた判断を行えるという。同社はビジネスにおける取引の「健全性」と「スピード」の実現に貢献していく。