新たなモビリティ社会、世界一安全な道路社会をめざす日本の「官民ITS構想・ロードマップ2019」(官邸PDF)と同様のことが海外でも考えられ、CASE(コネクテッド・自律・シェア・電動)技術を競う動きが先進諸国に広がっている。現在、自動車向けの積層セラミックコンデンサは、員数減による面積削減と信頼性向上を図るため、小型大容量化・低ESL(等価直列インダクタンス)化による高周波特性向上のニーズが高まっているという。
村田製作所は、自動車のECU(電子制御ユニット)内で使われるプロセッサ向けに、世界最小かつ最薄(0.5mm×1.0mm×0.2mm)をうたうLW逆転低ESLチップ積層セラミックコンデンサ「LLC152D70G105ME01」を開発。一般的な積層セラミックコンデンサとは違い、チップの短手方向両端に外部電極を形成し、電極間距離を短くし電極幅を広げることで低ESL化を実現したコンデンサである、この新製品を10月から量産している。
同製品は非常に薄型であることからプロセッサパッケージ裏面のはんだボールの間にも直接実装が可能なため、プロセッサパッケージの小型化にも寄与する。コンデンサをプロセッサパッケージの裏面に実装することにより、コンデンサとプロセッサダイの距離が従来の側面配置より近くなるため、さらなる低インピーダンス(交流回路の電気抵抗)化が可能となり、より高周波特性に優れた回路設計を組むことができるという。
同社は今後も市場のニーズに対応した製品の開発を進め、自動車の高性能化・高機能化に貢献していく構えだ。