5Gスタンドアロン向けeSIMにて次世代の全機能を

順次そのエリアが拡大されていく。キャリアの5Gサービスは、高速通信を特徴とするNSA(ノンスタンドアロン)方式で、4Gコアネットワーク基盤に5G基地局を追加したしくみで構築されている。

5Gと4Gの設備を要する。5G NSA方式は、企業や自治体が自営する「ローカル5G」網(参考:総務省PDF)への導入が困難である。一方、5G SA(スタンドアロン)方式は、4G設備なしで運用できる。5G NGC(次世代コア)との組み合わせで、高速通信・低遅延・多数同時接続といった5G本来の性能を享受可能とする。そのため、ローカル5Gでは5G SAの導入が早期に進むだろうという。

IIJは、日本で初めて、5G SA方式に対応したeSIMを開発し、動作検証を完了したことを公表した。同社は18年3月よりフルMVNO(仮想移動体通信事業者)としてサービス展開。その一環として19年7月からeSIM(埋込型SIM)対応のデータ通信サービスを提供している。現在、ローカル5Gでの活用を見据え、5G SA方式に対応したコアネットワークの技術開発・実証を進めているという。

今回、GSMA標準のeSIMに、3GPPで規格化された5G SA対応機能を追加したeUICC(参考:同社PDF)プロファイルを搭載――。それを市販の5G SA対応スマートフォンにダウンロードし、試験用の5G SA基地局、5G SAコアネットワークで動作検証を行い、通信が可能となることを確認した。5G SAに対応したeSIMの開発、動作検証を完了させたのは、IIJが国内初だという。

モバイル通信で今後主流となる5G SA方式の接続サービス提供に必要な要素技術を確立した。同社は、製造業の工場や流通倉庫、医療現場などこれから需要が見込まれる分野で、顧客のローカル5G導入を支援する。プラスチックカード型SIMについても、5G SA対応を推進していく構えだ。