衛星と地上の通信ネットワークをシームレスに接続、5Gの向こうへ

第5世代移動通信規格(5G)の特長すなわち「超高速・大容量」「超低遅延」「超多数同時接続」といった機能のさらなる高度化が求められる。6G時代においては、新たに「超低消費電力」「超安全・信頼性」「拡張性」「自律性」といった機能も具備されるべきだとしている。

Beyond 5G推進戦略-6Gへのロードマップ-」を総務省が6月に公表した。今年、NICTが「Beyond 5Gにおける衛星-地上統合技術の研究開発」での研究課題:衛星--地上統合技術の情報収集、技術確立及び有効性確認を採択。このプロジェクトを受託したJRCスカパーJSAT東京大学大学院情報学環中尾研究室は11月2日、本受託研究により、5Gのエリア拡大に向けた技術開発を行っていく予定だとした。

欧州宇宙機関(ESA)による衛星-5G統合技術開発のためのテストベッドを活用し、日本国内にてJRCが保有するKuバンドVSATシステムとスカパーJSATが保有するKuバンド衛星とを接続し、従来独立であった衛星・地上系の異種ネットワーク間のシームレス接続を可能とすることで、衛星-5G連携運用に関する有効性や課題を確認し、衛星のグローバルカバレッジ性を活かした5Gアプリの実証試験とデモンストレーションを行う。

日欧共同実証実験に加え、衛星通信連携向けのローカル5Gバックホール連携接続の研究開発では、東京大学で研究開発しているSDN/NFV(ソフトウェア定義ネットワーク/ネットワーク機能仮想化)、ネットワークスライシング及び統合的なネットワーク管理技術を活用――Beyond 5Gにおいてローカル5Gのトラフィックを衛星地上接続のバックホールで効率的にネットワーク収容する技術の確立を目標としている。

3者は、今回の委託事業から得られる研究開発成果を広く社会に展開し、衛星と地上のシームレスな通信環境の実現を目指していく。