スマホでコンビニATM、QRコード照会機能の開発を支援する

令和元年版情報通信白書によると、スマートフォンの世帯保有率は2018年に約8割に達した。利便性を象徴するコンビニエンスストアが至るところにある日本において、店内でシニアがスマホ決済している様子がみられる昨今、その率はさらに上がっていることが想像される。

同白書の第2節ICTサービス利用動向(総務省ウェブ)をひもとくまでもなく、生活のデジタル化が進んでいることは明らかである。スマートな外出が好まれるようになった今日、キャッシュカードの代わりにスマホを使って、コンビニ店舗のATMで現金を入出金する――新たな仕組みは、利便性やニーズが高いものの、セキュリティ対策やAPI開発を要する、提供側の負荷アップが課題だという。

NRIは10月29日、金融機関向けに、スマートフォンを利用してコンビニエンスストアでATM取引(20年6月時点でのセブン銀行とローソン銀行の新型ATM12,170台)を行うためのシステム開発を支援するツール「QR照合サービス」の提供を開始した。同サービスはシステム開発を容易にするための「スマートフォンアプリ用ソフトウェア開発キット(SDK)」と「QR照合用APIサービス」からなる。

金融機関は自社のバンキングアプリにこれを組み込むことで、システム開発範囲を最小限にとどめ、短期間でスマホ用のATMサ-ビスを提供できるようになる。スマホ用ホワイトラベル(NRI制作)の入出金の画面のテンプレートおよびQR照合サービス呼び出し用ライブラリがSDKとして用意されている。画面テンプレートは、各金融機関が提供するバンキングアプリの画面として組み込むこともできる。

各社がデザインした画面を使って、QR照合サービス呼び出し用ライブラリのみを使うことも可能だという。NRIが提供する、QR照合用APIサービスでは、ATMから連携されるQR電文とスマートフォンから読み込んだQR電文を照合する。