情報通信
社会インフラDX、被災設備の俯瞰データにて早期復旧へ
電気通信インフラの早期復旧には被災設備の早期把握が必要であり、その課題は「被災状況の全体像が見えない中での面的点検に時間を要すること」が挙げられるという。NTT東日本は、災害復旧目的に限りJAXAの「防災インタフェースシステム」データを取得。上空からの撮像を活かす調査体制の構築について検討してきた。そして今年度、衛星やドローン等の視点でする被災状況調査を「4DSS」と名付けた。
"3次元+時間軸でスペース&スカイ"から調査する、4DSS構想のもと、大規模災害発生時の早期復旧を目的に、衛星データを活用した被災設備の早期把握に取り組んでいく。「だいち2号」合成開口レーダーのSARデータ(参考:JAXA資料)と、NTTデータ及びRESTECによる全世界デジタル3D地図「AW3D®」を用いて、面的把握を実現する。
気象によらず地上を俯瞰できるSAR衛星と、視認性が高く扱いやすい光学衛星とを併用することで、迅速な被災設備の状況把握を行い、その早期復旧に努めるという。NTT東日本は、4DSSにおいて発災直後に衛星データを取得し、被災エリアを――これと設備情報とをGIS(地理情報システム)上に重ねて被災設備を推定する。そしてそれをその地区の設備部門へGISで即時共有する。
4DSSにより、早期の復旧資材準備・要求が可能となったうえ、保守員の効率的な派遣ができるようになった。同社はさらに、現地確認が困難な箇所のドローン撮影およびGIS反映によって、より詳細な被災状況把握と情報共有を可能とする。4DSSを早期復旧計画の策定に活用していく構えだ。