世界最高速!新開発の直接変調レーザにて256Gbps伝送を実現

データ量が爆発的に増えている。現在、データセンタではサーバ間伝送路の大容量化が必須であり、グリーン化も重要であるため、低消費電力・低コストな「直接変調レーザ」が最も多く使用されている。それは、レーザに注入した電流(キャリア)に比例して光(フォトン)出力が変化する――

強度変調を利用しているため、キャリアとフォトンの相互作用(緩和振動周波数)により、変調速度が制限されている。レーザ活性層の高性能化により30GHz程度の3dB帯域が得られた90年代以降、大きな進展がない。活性層の高性能化による改善はもはや困難だとして、レーザの発振モードに隣接する縦モードとの離調(ディチューニング)を側帯波の周波数に一致させて、強度変調を増強する「フォトン-フォトン共鳴」の検討がなされている。

これまでの検討で3dB帯域55GHzが達成され、112GbpsのPAM4信号の生成が実現されている。さらなる高速化に向けて、フォトン-フォトン共鳴の周波数を大きくすることはディチューニングの調整で可能――だが、信号生成のためには低周波~高周波領域にわたる周波数応答特性が平坦でなければならず、緩和振動周波数を大きくし、フォトン-フォトン共鳴周波数の間で大きな落ち込みが生じないようにすることが重要な課題だったという。

NTTは、東京工業大学小山二三夫教授らと共同で、高熱伝導率を持つSiC基板上にInP化合物半導体を用いた「メンブレンレーザ」を開発。これにより世界で初めて3dB帯域が100GHzを超え、256Gbpsの信号を2km伝送できることを確認した。成果をデータセンタに用いれば、トラフィックの増大に低コスト・低消費電力で対応できる。

技術の研究開発を進展させることで、「IOWN」構想を支える大容量光伝送基盤の実現に貢献していくという。両者の成果は、英科学誌「Nature Photonics」電子版に掲載された。