ゼネコン3社が先端技術活用で連携、業界全体の魅力と生産性アップへ

生産年齢人口の減少、技能労働者の高齢化に伴う将来的な就業者不足が大いに懸念されている。この国の、建設業界においては、新規入職者の確保や生産性の向上、働き方改革の実現が喫緊の課題になっている。

そこでゼネコン各社は、施工ロボットやICT施工支援ツールの開発を進めている。個社の取り組みではしかし、限界も見えている。各々が生産する施工ロボットの台数では、開発コストの回収が難しい。結果的にロボットの本体価格が高額となり、現場への普及を妨げる要因となっている。そのうえそれを実際に使用する協力会社では、操作方法を習得するロボットの種類が増えてしまうため、"個"は、生産性の向上を阻む種にもなっているという。

鹿島建設竹中工務店は昨年末よりロボット施工・IoT(モノのインターネット)活用分野で協業していて、ここに新たに清水建設が参画――3社は今月19日、建設業界全体の生産性および魅力の向上を促進することを目的に、ロボット施工・IoT分野での技術連携に関する基本合意書を締結したことを発表した。連携対象となるのは、施工関連技術のうち、ロボット、機械装置、ソフトウェア、IoT技術に関連するものだという。

新規技術の共同研究開発、既存技術の機能向上・改良のほか、実用レベルに達した既存ロボット技術等の相互利用に取り組む。3社は、このたびの協業を通じ、新規ロボットの共同開発や既存ロボットの相互利用を促進することで、研究開発費やロボット生産コストの低減につなげ、施工ロボットの普及加速を目指す。

最先端技術の利活用は、協力会社の生産性を大幅に向上させ、技能労働者のワークライフバランスの向上や処遇改善、ひいては若年層の入職促進にも寄与する。業界の魅力向上に貢献すると考えている。3社は今後、当該合意書に基づき協働を進めるとともに、技術連携を広く業界全体に働きかけ、建設業が抱える諸課題の解決に尽力していく構えだ。