デジタルツインを活用し、スマートシティ構築を推進する

第5期科学技術基本計画で提唱された「ソサエティ5.0」。それはサイバー空間と物理空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会だという――。両空間を情報で統合して協調させるしくみとしてはいま、「デジタルツイン」というものがある。

今月15日、清水建設オートデスクは、スマートシティの鍵となる「都市デジタルツイン」の社会実装に向け、その基盤・プラットフォームを整備する協業プロジェクトを始動した。都市デジタルツインとは、フィジカル・サイバー双方に建物と街を構築し同期させることであり、フィジカル空間でセンシングしたリアルタイムデータをサイバー空間でシミュレーションし、実空間にフィードバックしアップデートすることで、よりQOLの高い街づくりを可能にするものだという。

協業の第一弾では、豊洲6丁目プロジェクトの周辺エリアを対象とする、都市デジタルツインを構築する。BIM活用や建物・都市のスマート化に取り組む建設会社の知見と、先進的なICT(情報通信技術)とを融合し、国内で初めてオートデスクのクラウドサービスを活用した都市デジタルツインのデータプラットフォームを整備するとのこと。

清水建設はそのプラットフォーム上に建物・インフラのBIM/CIMモデル、広域地形モデル、シミュレーションデータを統合した豊洲6丁目プロジェクトのサイバー空間を構築し、人流・物流・交通・防災機能の最適化を図る課題解決型のスマートシティ事業を推進する。一方、オートデスクは、情報やクラウド、モバイル、ビッグデータなどのプラットフォームテクノロジやIoTを、製造、建築・土木、メディア&エンターテインメント業界など――

広範囲に及ぶ分野の企業や組織・ビジネスモデルと組み合わせ、事業拡大のための新たな手法の創造、プロセスや業界の動きを変革する新しいビジネスデザインを支援するという。