オンライン服薬指導後の医薬品配送をITで安全・確実にする

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックがWHOに宣言された。翌4月には日本において、医療機関の受診が困難になりつつあるとして、厚生労働省が時限的かつ特例的な対応を、各自治体の衛生主管部(局)に通達した。

「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」(同省PDF資料)を受け、国内の薬局やドラッグストアでは現在、オンライン服薬指導の導入が進められている。オンライン服薬指導後の医薬品の配送では、品質を確保しながら速やかに、かつ誤りなく医薬品を購入者に届けるために、配送から受領までの確実なデリバリー情報の管理が必要となる。

薬局およびドラッグストアと各配送業者間はしかし、システム連携が確立されていない。ゆえに医薬品販売や配送に関わる各ステークホルダーは、購入者の情報や医薬品の配送状況などの情報を、それぞれ直接確認しなければならない。いまのしくみは情報管理工数が課題になっているという。

サイバーエージェントMG-DX富士通および富士通研究所の4社は、オンライン服薬指導における安全・確実な医薬品の配送を目的に、ブロックチェーン(分散型台帳)を活用した情報連携プラットフォームを実現する共同実証プロジェクトを今月1日に開始。来年9月まで実施する同プロジェクトでは、富士通研究所が開発したアイデンティティー流通技術「IDYX」を実装した情報流通・活用プラットフォームを用いる。

購入者の属性情報や医薬品の配送状況などをセキュアに共有可能とする情報連携プラットフォームを構築し、医薬品の配送状況や授受の把握を可能とするサービスの確立と検証をする。今回の実証プロジェクトでは、配送時の医薬品の位置情報や授受の把握を可能とするサービスモデル・運用モデルの検証に向けたOTC医薬品(一般医薬品)のデリバリー実証実験も行うという。