コロナ禍による経営破綻、負債額1,000万以上が累計555件に

「新型コロナ」関連破綻の動向は予断を許さない。9月4日に10件以上のコロナ関連破綻の発生は12都道府県になったとし、同月18日には、負債1,000万円以上のコロナ関連の経営破綻が6件判明――2月からの累計は全国で504件に達し、10件以上は16都道府県に及んでいるとした。

東京商工リサーチは10月2日に上記状況をさらにアップデートし、同日17時時点で「新型コロナ」関連の経営破綻(負債1,000万円以上)が7件判明し、2月からの全国累計で555件に達するとした。月別では、単月最多の103件発生した6月以来、7月80件、8月67件と前月を下回ってきたが9月は100件、3ヶ月ぶりに前月を上回り、6月と同水準の件数となった。増勢基調が鮮明となるなかで、今後の動向に注目が集まっているという。

業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が87件で最多。百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が61件と続く。同日、温泉旅館とカプセルホテル経営会社の破綻が2件発生し、インバウンド需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が50件に達した。ほかに、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業32件、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業30件があった。

飲食業界全体での需要低迷が影響している――。都道府県別では、東京都が134件で全体の4分の1、大阪府58件、北海道28件、愛知県26件と続く。一方、集計基準外だが、負債1,000万円未満のコロナ関連の小規模倒産は累計27件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破綻は累計582件に達した。

わが国においては、政府や自治体の各種支援策などに依存している企業は少なくないが、環境悪化が長引き、追加融資やリスケの見直しの時期に差し掛かり、資金繰り支援効果が薄まっている点が懸念されるという。