人材マネジメントしなやか企業は業績見通しがよく、コロナ対策も十分

人は石垣、人は城――武田信玄の言葉が今に伝えられている。人材を人財と書く組織もある日本では、昨年のラグビーワールドカップで適材適所および控え選手も含めてひとつになることの重要性が再認識された。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行している今こそ、あらゆる組織でワンチームや多様性への取り組みが問われている――。日本全国の様々な企業において、「人事・労務担当の部長・役員」「人事企画担当者」を対象に7月22日から23日までインターネット経由でアンケートを行ったNRIは、業種・規模の異なる206社から回答を得て、今月5日にその結果を公表した。

今回の調査では、①報酬体系、②評価運用、③任用・配置、④人材・組織、⑤労務環境の観点から、人材マネジメントの柔軟性に関する6つの質問を各5段階評価でたずねた。これら6つの質問に対する回答の平均点が4以上の会社を"しなやか"企業、平均点が2以下の会社を"硬直"企業と定義したところ、"しなやか"企業は"硬直"企業と比べ、コロナ禍が続く7月時点で業績および業績見通しが維持または好調と底堅かった。

人材マネジメント"しなやか"企業は、COVID-19対策も「十分に対応できている」ことが明らかになった。「人材の多様性」や「外部人材の活用」が進んでいる企業ほど業績見通しが好調であり、「IT・デジタルの活用」や「柔軟な人材配置・任用」「是々非々の評価運用」が進んでいる企業ほど、新型コロナウイルス感染拡大に適切に対応できていることも明らかになった。

「IT・デジタルの活用」先進企業はテレワークを推進しやすく、「柔軟な人材配置・任用」「是々非々の評価運用」先進企業は"必要な対応等が素早くかつ自発的に提案・実行されること"、"会社や所属部署の環境変化を自分事として捉え、積極的な対応が進めやすいこと"などが上記結果につながっているのだろうという。