官民でDX、防災チャットボットを試してみる

近年、気候変動の影響で気象災害は頻発、激甚化する傾向にある。大規模災害の発生に備え、自治体や企業はタイムライン(防災行動計画)を作成しておくことが重要で、災害発生時には迅速な被害状況と安否の把握、救助や物資供給、復旧作業に向けた業者手配などが求められる。

自治体ではしかし、安否確認や被害状況の情報収集の多くは電話で行われている。数十人のスタッフで何百人もの市民に連絡をしている、従来の方法では、電話をかけてもつながらない、具体的な場所や被害の把握が口頭では難しいなどの理由で、被害の全容把握に時間がかかるほか、状況把握が業務の負担になっている。同様の手法を使う企業にとっても、デジタルトランスフォーメーション推進(参考:METI DX)が課題になっているという。

ウェザーニューズは、自治体や企業向けにSNSを活用した対話型災害情報流通基盤システム「防災チャットボット」の無償トライアル提供を開始した。SNSを通して自律的に被災者とコミュニケーションを取り、AIが対話の中から安否確認や不足物資などの災害関連情報を自動で抽出・集約し、最寄りの避難所や物資状況などの情報を提供する。同システムはすでに三重県、徳島県、広島県、福島県南相馬市などに導入されている。

今回の無償トライアル(最長1ヶ月)では、「防災チャットボット」の"災害情報の収集"と"PUSH通知"を提供する。自治体や企業のスタッフによって被害が報告されると、AIがリアルタイムに分類し、被害状況が地図上にマッピングされる。各組織の防災担当者はそれらの報告を地図上で確認できるほか、現地にいるスタッフへPUSH通知を送信し、更なる情報提供を促すことも可能で、スタッフを対象とした防災訓練でも活用可能だという。

同社は上記システムについて、改良と機能拡張を行い、'21年度に全国の一般ユーザーまで試用対象を広げたのち、全国販売を開始する計画だ。