道の駅と鉄道駅をむすぶBRT、追加ダイヤにて自動運転バスを運行

地球環境に優しく、より速く安全に運行できるバス高速輸送システム(BRT)が各国で注目されている。日本では「ひたちBRT」が、道の駅日立おさかなセンター~JR常磐線常陸多賀駅の専用道区間(約6km)を含む路線長約9kmで運行中であり、年間約53万人に利用されている。

「ひたちBRT」において、茨城交通みちのりHD日立市茨城県住友電工PSSI小糸製作所コイト電工KDDIKDDI総合研究所は、10月上旬~来年3月上旬のうちの13週間で中型バスを用いた自動運転走行実証実験を予定している。これは経済産業省・国土交通省の事業を受託した産総研が実施する「中型自動運転バスによる実証実験」のバス運行事業者に選定され、実施するものである。

今回の事業は、'18年に実施した「ラストマイル自動走行の実証評価(日立市)」に続く二回目の走行実証実験であり、本格商用実装に向けた取り組みとして、高い安全性と多様な環境下で安定した運行を実現するため、2つの技術を導入――自動運転車両と通信を行う路側センサーと、遠隔監視装置の検証を行う。

専用道区間や一般道区間にて、見通しの悪い場所に敷設された各種光学センサーや電波センサーが自動運転バスと通信する、安全に走行できる環境の構築およびスムーズな定時走行をめざす「路側センサーによる自動運転車両との協調」と、走行状況をカメラ映像や各種状態情報で確認し、路側センサーの稼働状態もモニタリングする「遠隔監視装置」とを実証する。

本年度の実験では、大幅に延伸した新たな路線にて、通常ダイヤに自動運転バスのダイヤを追加して運行する。一般客が広く利用する環境を作ることで、特別な移動手段ではなく通常の移動手段としてより多くの人に乗車してもらい、'22年以降の本格的な商用運行に向けた課題抽出を進めていくという。準備状況等は、みちのり自動運転プロジェクトWEBで適宜公開される。