コロナ禍による破綻10件以上が16都道府県に

新型コロナウイルスの感染者数の推移と同様に、コロナ関連の経営破綻も一進一退が続いている。支援に依存しながら経営を維持している企業は多く、悪影響が長引けば長引くほど、体力の乏しい企業の脱落が加速する可能性がある。コロナ関連破綻の動向は予断を許さない。

と、9月4日に「新型コロナウイルス」関連破綻状況を公表。長野県で10件目の経営破綻――競合激化により債務超過状態が続いていたそのビジネスホテルは、新型コロナによる利用客の急減に襲われ4月から休業していた――これで10件以上のコロナ関連破綻の発生は12都道府県になったとした。東京商工リサーチは18日、同状況をアップデートした。

17時時点で、「新型コロナ」関連の経営破綻(負債1,000万円以上)が6件判明した。2月からの累計は、全国で504件に達し、コロナ関連破綻は2月25日に第1号が発生して以降、207日目で500件を超えた。最上級の行政区画別に見ると、10件以上は16都道府県に及んでいるという。

月別では、6月に単月最多の103件発生。その後、7月は80件、8月は67件と前月を下回ってきたが、9月は18日までに63件が発生し、前月を上回るペースで増勢を強めている。コロナ関連破綻のうち、従業員数はそれが判明した451件の合計で1万287人。集計対象外だが、負債1,000万円未満のコロナ関連の小規模倒産は累計23件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破綻は累計527件に達した。

コロナ関連破綻は9月に入って再び増勢基調が鮮明になっている。政府や自治体の各種支援策などに依存し、経営を維持している企業は少なくないが、新型コロナの感染拡大から半年が過ぎ、資金繰り支援効果が薄まっている可能性も懸念される。新たな支援策がない場合、脱落がさらに加速する可能性もあり、引き続き予断を許さない状況が続いているという。