QRコードにて市役所へ電子請求、横須賀で全国初の試み

企業等が自治体に請求書を発行する際、必ず紙で送付する必要がある。日本においては現在、自治体では請求書内容を職員が転記する事務作業が大きな負担になっていて、企業等でも自治体ごとに異なる書式に悩まされている。

紙の請求書は各自治体の業務効率化を阻む。さらに、複数の自治体と取引がある民間事業者は、各々の自治体で定められた書類の形式が違うため、様式の取得や記載ルールの把握などにも大きな負担を強いられているという。

NECAmbiRiseグラビス・アーキテクツの3社は、横須賀市(経営企画部情報システム課)と「電子請求ソリューションを活用した業務効率化の検討に関する協定」を締結。市役所における請求業務に電子請求ソリューション「Haratte」を活用した実証実験を今月より行う。QRコード(デンソーウェーブ登録商標)を活用した電子請求ソリューションによる請求業務の効率化に向けた取り組みは、全国の自治体で初の試みだという。

今回の実証実験では、全国多数の自治体で採用実績のあるNECの「GPRIME財務会計システム」と、AmbiRiseの行政機関宛て請求プラットフォーム「Haratte」、グラビス・アーキテクツのICT(情報通信技術)を活用した自治体業務改善検討支援のノウハウを効果的に組み合わせ、自治体と民間事業者の請求書作成や経理処理の効率化について評価・検証する。

横須賀市の財務会計システムを⽤いた請求業務にHaratte及びHaratte連携ツールを導⼊した場合の業務改善モデルの検討、技術的検証、業務効率化の効果・課題の抽出などを⾏う。これにより、上記転記に伴う事務作業の負担を軽減し、異なる自治体にて同じフォーマットへの入力で請求書を作成できるようにする。複数の自治体がこのしくみを採用すれば、民間事業者による経理処理など仕事の負担軽減も実現可能だという。