現場業務の支援ソリューション市場は442億円、'22年から高成長

大きくは各種設備機器の保全・保守業務に用いるシステムが主体である「業務支援」のほかに、「健康・安全管理」、「教育・研修/トレーニング」に分類される。ユニフォーム姿でする業務をIT(情報技術)システムでサポートする「フィールドワーク支援ソリューション」は――

現場業務全般での作業支援や業務の効率化、事務作業の軽減を目的としたソリューションも多い。近年、各種ロボットを利用したシステムソリューションも増えていて、工場や大型商業施設、交通拠点、建設現場などでの実装が進んでいるという。

矢野経済研究所は16日、国内のフィールドワーク支援ソリューション市場の調査結果を公表した。'19年度の同市場(事業者売上高ベース)は前年度比129.6%の442億円と推計。ここには、ITベンダーのパッケージやソリューション、大規模なSI/システム開発案件の一部を構成する類似ソリューション、PoC(概念実証)/実験段階のもの、ユーザ製システムなども含めているという。

製造、建設及びインフラ設備/エネルギー設備保全などのプロジェクト規模の大きな案件がマーケットを牽引している。一方で、稼働中のシステム数/デバイス数の多い介護や医療/ヘルスケア分野では、一件当りの案件規模が限定的なため、市場に占める構成比率は低い。今年はコロナ禍の影響で、システム開発や実証試験、現場での実装などの多くの作業が遅延している。

2020年度の同市場は、前年度比97.5%の431億円と前年度割れを見込む。コロナ禍が収束し、経済環境の回復とともに'21年度以降は拡大基調に転じ、'22年度頃からはローカル5G/5Gソリューションに連動したフィールドワーク支援ソリューションも登場する見通しで、以降は年率20%超の高成長が続くと予測する。マーケットのオリジナル情報が掲載されたショートレポートは、¥1,000で入手できる(同社プレスリリースWeb)。