製品の市場投入を迅速化する、新しいアナログ回路シミュレータ

グローバルでさまざまな製品の開発競争が加速している。デジタル回路だけでなく、電力制御や信号増幅などに用いるアナログ回路もますます小型高性能化する電子・電気製品の優劣を左右する。多くのハードウェア技術者は、厳しいプロジェクト日程の中で、正確な設計をするよう求められている。

信頼性テストの失敗は製造上の高額な損失につながることから、シミュレーションソフトウェアツールの重要性は、技術者のすべての設計プロセスで一層高まっているという。日本テキサス・インスツルメンツは今月15日、 CadencePSpice®シミュレータのカスタムバージョンであり、新しいツールである「PSpice for TI」を発表した。

TIの電源やシグナルチェーン製品で構成された複雑なアナログ回路のシミュレーションを無制限に実行できる。「PSpice for TI」は、5,700種類以上のアナログICモデルを擁し、今なお拡充中であるTIライブラリをサポートする、全機能内蔵の回路シミュレーションを提供し、これまでになく容易な新規設計の部品評価を可能にする。ライブラリの同期更新によって、TIの最新モデルの個別手動インポートが不要になるため、製品評価を迅速化できる。

自動計測とポスト・プロセシングのほか、モンテカルロ解析やワーストケース解析などの最先端機能を提供。幅広い動作条件とデバイスの許容範囲にわたって、数クリックで設計をフルに検証できる。ユーザは同ツール内でシミュレーションした設計の検証を完了後、商用バージョンのPSpice Designer内で設計を開き、OrCAD/Allegro PCB Designerをはじめとしたその他のCadenceのプリント基板ツール群にデータを直接渡すことができる。

その際、回路を再構築する必要がないという。新ツールの特長および詳細は同社サポートフォーラムWebで確認できる。