システムのブラックボックス化が許されない。金融業界においては特に、AIが導き出した結果の根拠がわからないことが、経営や投資判断へのAI活用を阻む一因となっている。他にも、AI人材の不足や、大量の学習データの準備が課題に挙げられているという。富士通は、AIがスコアリング予測を行い、次の効果的なアクションを提示するAIスコアリングプラットフォームサービス「EnsemBiz」を今月16日より提供する。
営業マーケティング、ローン審査、不正検知など様々な業務を支援する。金融ソリューション体系「Finplex」に属する上記新サービスは、富士通研究所が開発したAI技術「Wide Learning™」(PDF資料)を組み込むことで、少ないデータでの高精度な予測と、次なるアクションの提示が可能とされている。予測とサジェストの根拠をわかりやすく提示する(特許出願済)ことで、AIのブラックボックス問題を解決し、AI活用のハードルを低減する。
営業マーケティングにおいて人が理解でき納得できる「根拠の明確化による予測結果の透明性確保」、従来データサイエンティストが予測結果に基づき分析していた次にとるべきアクションを、AIが自動で複数挙げる「複数の行動プランの提案により意思決定をサポート」、GUI操作で容易にデータを事前処理でき、BIツール「Tableau」との連携で予測結果をグラフ表示――専門知識がなくても「手軽に利用開始可能」といった特長を備えている。
新サービスにより富士通は、金融業界におけるAI導入を促進し、DX推進に貢献していく考えだ。