タスクの可視化・分析市場は急成長、'24年75億円に

情報技術の浸透がさまざまな物事をより良い方向に変えていく、デジタルトランスフォーメーション(DX)が日本でも進化しつつある。PCの操作ログを入力データとして、個々の従業員が実行する日常業務(タスク)の可視化と分析を行う「タスクマイニング」も企業DXの進化に役立つツールだ。

従業員の生産性や業務分担の偏りを明らかにしたり、RPA(ロボティックプロセスオートメーション:ソフトウェアロボット)による自動化やシステム化の対象を選定したりといった用途に活用される。タスクマイニングについて、独立系ITコンサルティング・調査会社のITRは今月3日、その国内市場規模の推移および予測を発表した。

'19年度のタスク・マイニング市場の売上金額は4億円、'20年度は同15億円、前年度比275.0%増と急速な伸びを予測している。'19年度に市場を形成したばかりで市場規模はまだ小さいが、市場認知度は急速に高まっている。そして今年、コロナ禍での在宅勤務増に伴い、テレワークの業務実態を把握する手段として注目され、導入が増加している。

タスクマイニングは、プロセスマイニングと組み合わせることで、企業のさまざまな部門にまたがる業務プロセスの可視化、最適化の実現も期待できることから、その市場は2024年度には75億円、CAGR('19~'24年度)は79.7%の非常に高い伸びを予測している。

「PC業務に潜む無駄や非効率性を可視化することを目的に登場しましたが、コロナ禍によるテレワーク拡大により、遠隔における従業員の働きぶり全般を把握するためのツールとしても注目――(中略)――単なる監視ツールと捉えるのではなく、得られた分析データを業務改善につなげるという前向きな活用を重視することが求められます」とシニアアナリストがいう。詳細は「ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2020」で確認できる。