AI+プロジェクションマッピング、生産ラインの業務をさらに効率化

製造業、たとえば食品メーカーの生産ラインにおいては、熟練作業者の目視による検品作業が行われている。日本では近年、熟練作業者の高齢化によって、ものづくりにかかる技能・技術の継承が課題となっている。

深刻化している人手不足の解消に向けて、外国人労働者をより多く受け入れることも想定されていて、製造現場ではノウハウの共有が一層重要になっているという。NECソリューションイノベータは、AI(人工知能)技術で判定した不良品や異物などの対象物を、プロジェクションマッピング技術により生産ライン上で直接マーキングし、追跡する「NEC AI・画像活用見える化サービス / 動的マーキングオプション」の提供を9月2日に開始した。

生産ラインの作業現場の品質や進捗の見える化を支援する「NEC AI・画像活用見える化サービス / 生産管理・検査支援」の一機能として、主に食品製造業向けに提供する。不良品や異物を取り除く検査作業や特定の対象物をピックアップする仕分け作業においては、担当者の作業効率アップと品質の向上を支援する。同オプションは、AIが学習した熟練作業者の技を活用することで、ノウハウの共有や技の伝承も可能にする。

プロジェクションマッピング技術により、プロジェクターの光が不良品や異物などの対象物をリアルタイムにマーキングし、生産ラインのスピードに合わせて追跡。これにより、検査作業や仕分け作業における現場作業者の負荷軽減や経験の浅い作業者の育成、生産の品質向上をサポートする。新サービスは、「――生産管理・検査支援」を導入済みの場合、導入に要する主な設備が市販プロジェクターのみとなる。

生産ラインに大幅な設備変更を行うことなく、手軽にサービスを導入できるという。「NEC AI・画像活用見える化サービス / 動的マーキングオプション」について、同社は、今後3年間で30社への導入をめざしている。