金融機関における大量の審査・融資関連業務をデジタル転換

保証付き融資は、その件数が1金融機関あたり年間数千~数万に達する――。保証に伴う書類のやり取りは紙を軸に行われているので、郵送の手間と時間、そして受け取った書類をスキャナで取り込んで管理する労力と費用が大いにかかる。

現状では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防と拡大防止が必須なのに、企業の資金繰りニーズが急激に高まり保証付き融資の申込数が増加していて、対面での書類受け渡し自体が感染リスクになっているという。TISは26日、与信管理ソリューション「SCORE LINK」シリーズのひとつとして、金融機関と信用保証協会の間の書類郵送を電子化する「金融機関間データ連携サービス」の提供を開始した。

保証付き融資に伴う決算書や保証申込書類等を高速に、一括授受できる。同サービスは、コロナ禍の影響で非対面の業務遂行が求められるなか、対面での書類受け渡しが行われている金融機関と信用保証協会とのやりとりを電子化することで、非対面の書類授受を可能にする。FISC準拠のセキュアな基盤の上にクラウド型サービスとして構築しているため、ユーザーは、外出先からの書類郵送もできる。

支店・金融機関内で送受信したデータを共有でき、個人に依存しない業務遂行を具現化する。「金融機関間データ連携サービス」を利用することで、金融機関と信用保証協会は、各種書類の郵送に要する時間の短縮、スキャン・文書管理にかかるコストの削減が実現でき、迅速かつ低コストの審査・融資が可能になるという。TISは、47都道府県での保証付き融資を支援すべく、全国の保証協会・金融機関への同サービス導入をめざす。

今後、決算書などの定量的な情報を含む書類は「SCORE LINK」で、それ以外の定性的な情報を含む文書は開発中の非財務情報正規化技術を用いたソリューションでデータ化することで、企業評価業務のデジタル化を支援していく構えだ。