凸版印刷は、電池交換や充電などのメンテナンスが不要なバッテリーレス表示機能付きRFIDタグ「Near cross® D 2.9」(公式動画@YouTube)を開発――今月25日より製造業や流通・小売業向けに提供する。新製品は、単体での運用が可能であり、同社の製造DX支援ソリューション「NAVINECT」と組み合わせて、生産性・品質アップや作業効率化の実現にいかすこともできる。
「Near cross® D 2.9」は製造現場に多く使用されている通信規格ISO/IEC 15693(13.56MHz帯を用いた近傍型RFIDを対象とする国際標準)に準拠したHF帯RFIDを使用しているため、既存のリーダーライタでの読み取りと書き変えが可能である。
リーダーライタから、これに搭載しているE Ink製電子ペーパーディスプレイの表示を3秒程度で変更できて10万回以上の表示変更が可能。RFID通信用の電力を電子ペーパーの書き換えに利用する省電力設計を行っているため、電池交換や充電などのメンテナンス作業を省くことができる。電子ペーパーは反射光によって視認されるため、バックライトによる自発光が不要であり、バーコードやQRコードなどの表示に最適だ。
物流ラベルの貼り替えや指示書の作成などが不要で、簡単に電子ペーパーの表示を変更することができ、多言語での表示も可能なため、外国人労働者への指示や情報伝達を最適に行える。「Near cross® D 2.9」は前述のような特長により、RFIDによるトレーサビリティに加え、製造現場での省人化やペーパーレス化に貢献するという。