5Gの普及で約30倍もしくは80倍になる市場とは

今春、日本国内の大手3社が第5世代移動通信(5G)の商用サービスを開始した。サービスエリアはまだ限られていて、超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続といった5G本来の特長も未完成だが、各社はエリア拡大に励んでいて、標準化団体等は技術規格の完成を急いでいる。

今月20日、富士キメラ総研は、5Gの提供エリア拡大や対応端末の普及に伴い、利用の広がりが想定されるクラウドゲーミングサービスやマルチアングル映像配信プラットフォームなどの市場を調査――サービス/ソリューション22品目と移動体通信サービス2品目を対象にマーケット調査・分析した結果を、「2020 5G時代におけるワイヤレスアプリケーション市場の将来展望」にまとめて発表した。

注目市場は、「クラウドゲーミングサービス」「マルチアングル映像配信プラットフォーム」「ホームセキュリティ/見守りサービス」「遠隔作業支援ソリューション」であり、'20年度29億円が見込まれるクラウドゲーミングサービス市場は、'25年度に'19年度比29.2倍の350億円になると予測。映像配信プラットフォーム市場は、'25年度に同80倍の320億円に急成長するだろう。

ホームセキュリティ/見守りサービスは、大容量・低遅延の5Gの普及が進むと、防犯のために戸外周辺をリアルタイムに画像で監視して異常を察知するなどサービスの向上が図れて、需要が高まり、'25年度には'19年度比152.6%増の3,730億円市場に――。また、遠隔作業支援ソリューションは、人手不足解消や業務効率化ニーズの高まりなどにより、'25年度には同16.8倍の420億円市場になるだろうという。

サービス/ソリューション22品目の市場は今後も拡大を続けていき、'25年度に9,371億円('19年度比63.3%増)になると予測されている。詳細は、同社の最新市場調査レポートにて確認できる。