10万品の菓子画像データを基に解析、陳列棚をデジタル変革する

大手メーカーの本部営業にとって、全国の店舗営業担当から日々上がってくる商品陳列の現状報告は膨大な量にのぼる。写真による報告では確認できる数に限りがあり、状況を正しく把握できない恐れもある。小売店への新しい棚割の提案は、メーカーにとって大切な営業活動の1つだ。

従来手法ではしかし、棚の現状を把握した上での売上拡大に向けた分析や新しい棚割の提案に時間がかかる。各種業務の工数・コストに課題があったとして、NECは一昨年より、商品陳列状況のデジタル化を支援する「売場情報画像解析サービス」を提供――。今回、菓子卸大手の山星屋と協業し、同サービスのオプションとして、約10万品からなる「商品マスタデータ提供サービス」を9月1日に開始する。

これにより、食品メーカー等は商品のマスタデータを準備することなく、迅速に商品陳列状況をデジタル化することが可能になり、営業担当者の売上拡大に向けた分析や新しい棚割の提案を支援するという。売場情報画像解析サービスは、スマホなどで撮影した棚の画像から陳列状態をデータ化して棚割管理ソフトに取り込み、商品の陳列を再現することで状況確認や新しい棚割の提案など業務の効率化を実現する。

このたび山星屋と協業し、同社が持つ商品マスタデータと連携して、約10万品の菓子の最新商品画像を提供する。「商品マスタデータ提供サービス」を利用することで、ユーザーは、頻繁な商品の改廃やパッケージ更新がある流通菓子商品について、予め商品マスタデータを用意することなく「売場情報画像解析サービス」をより手軽でタイムリーに使えるようになるという。

両社はこれからも画像解析技術等のICTを活用して、消費財メーカーにおけるバリューチェーンの更なる効率化・高度化に取り組んでいく。今回のサービスについては25日、オンライン開催される「食品・消費財メーカー様向け営業武装化セミナー」にて紹介するとのことだ。