線路上の積雪を24時間見える化、リモート自動監視する

わが国は世界有数の雪国である。国土の約半分が豪雪地帯であり、そこにおよそ2,000万人が暮らしている。532市町村では、適切な除雪作業のための状況把握が重要な工程になっていて、多くは自治体職員や地域住民の目視により、積雪状況の確認が行われている。

「豪雪地帯・特別豪雪地帯の指定」(国交省PDF資料)に上記面積や人口が明示されている。一方で全国的な人口減少、高齢化に伴う人手不足、深夜・早朝の見回り負荷の軽減、天候の急変に対応する――より効率的でリアルタイム性の高い確認手段が求められている。豪雪地帯での課題は、道路のみに限らない。

アクセルマークは、Momoと共同開発した積雪深自動モニタリングシステム「YUKIMI」について、JR東日本新潟の管轄線路の一部にて今冬12月より実証実験を行う。積雪深IoTセンサーとデータ閲覧システムが一体となっていて積雪状況を監視する、YUKIMIの導入により、管轄路線内のセンサー設置地点の積雪状況を24時間リアルタイムに可視化し、パソコンやスマートフォンから、いつでも積雪状況を確認できる状態を実現する。

JR東日本新潟の管轄路線の一部は、特別豪雪地帯に指定されるほど降雪・積雪の多い地域にある。線路上の雪は、列車の速度低下や走行不能を発生させたり、ポイント不転換などの設備障害を引き起こす要因となることがあり、列車の安定運行を妨げる恐れがある。そのような地域では、昼夜を問わず、天候の急激な変化にも対応しなければならない。降積雪量の把握は、安定運行を確保するうえで重要な判断要素の一つとなる。

YUKIMIの積雪深センサーは通信機能およびバッテリー稼働にも対応しているため、通信や電源など新たな設備の用意が極めて難しい環境でも、簡単に設置、導入ができるという。アクセルマークは、IoT製品・サービス開発者とクライアントをつなぐ、ラストワンマイルの存在を目指している。