スマート農業、個人向けに"センチメートル級測位サービス"を提供

社会的課題の解決や生産性の向上のために、先端科学技術やICT(情報通信技術)を活用する。自動・自律を軸にした様々なしくみのスマート化が進んでいる。日本の上空には4機の準天頂衛星があり、それらによるシステム(QZSS)が、未来を拓きつつある。

今月7日、ソフトバンクの子会社で、位置補正情報の生成・配信事業を行うALESは、個人の顧客向けに、誤差数センチメートルの測位をするための補正情報をリアルタイムで配信する「センチメートル級測位サービス」の提供を開始した。このサービスは、農業用トラクターをはじめとする農業機械の自動運転や運転アシスト、農薬散布のためのドローンの自動航行などで活用されることを想定しているという。

ALES提供「センチメートル級測位サービス」は、ソフトバンクの独自基準点(固定局)が受信した信号などを基に、「ALES配信システム」で補正情報を生成し、顧客のGNSS――「みちびき」からの信号――受信機(移動局)へ、インターネット経由(Ntrip方式)で補正情報を配信する。この補正情報と、GNSS受信機が受信した信号を活用してRTK測位を行うことで、誤差数センチメートルの高精度な測位が可能になる。

農業機械やドローンなどの電源を入れて、スマホやPCや付属コントローラーからNtripクライアントアプリを操作し、各機材と連携。同アプリで「ALES配信システム」との接続設定を行い、各機材がインターネットに接続されていることを確認したら、準備は完了する。

ソフトバンクの独自基準点は全国3,300カ所超に設置されているため、顧客自身で基準点を設置する必要がなく、全国ほとんどのエリアで手軽に補正情報を受信できる。1IDにつき年額3万6,000円(税抜き)、RTK測位を初めて導入する人も気軽に利用できるという。ALESの個人向け「センチメートル級測位サービス」はここから申込みできる。