マイナンバー対応、顔認証付きカードリーダーで医療機関・薬局が受付

医療現場の受付では、患者から健康保険証を受け取り、記載情報つまり被保険者番号・住所・生年月日等をPCに手入力する。資格を失効した健康保険証が提示されると、保険者(同証発行元)に医療費の一部を請求しても医療機関への支払いが行われず――

保険者が「元被保険者」の医療費を負担する、資格過誤請求が発生する。健康・医療・介護領域のデータが分散し相互につながっていないことも課題とされてきた。そこで'21年3月から導入される予定の「オンライン資格確認」(解説:厚労省Web)は、全国民の資格履歴を一元管理し、患者のマイナンバーカードや健康保険証にて、加入している医療保険の最新資格情報などを即座に確認可能とする。

そのしくみは医療機関において、患者の同意取得後に健診データや薬剤データの閲覧を可能とし、より精緻な診断や投薬ができるなど、医療サービスの向上も期待されているという。パナソニックSSJは5日、医療機関・薬局向け「顔認証付きカードリーダー」を発表した。この製品は社会保険診療報酬支払基金の認証取得後、「オンライン資格確認」における医療機関や薬局等の受付時の本人確認に活用できる。

現場センシングソリューション」パートナーとして、まずは一般診療所向けレセプトコンピュータ・シェア全国No.1(矢野経済研究所'19年8月調べ)企業であるPHCと連携し、医療機関・薬局等に提供していく。パナソニックの世界最高水準('17年4月米国NIST公式評価レポートより)顔認証技術を搭載している。同製品は、受付で患者自身がマイナンバーカードを置くと作動する。

カメラで顔認証して厳格な本人認証ができる。接触による感染リスクを低減しながら、医療現場の受付業務の負荷を軽減する。患者の同意を得て取得した資格情報を、医科・調剤向け医事コンピュータに取り込むことも可能となり、さらなる医療現場の業務効率化を支援するという。