中小規模の溶接現場でロボットとの協働を実現する

溶接業界において、人手不足の解消施策としてロボットによる自動化が加速している。中小規模の工場ではしかし、「設置スペースの確保」「ロボット操作のスペシャリスト育成」「安全対策にかかるコスト」などがロボット導入の障壁になっている。

そこで、ユニバーサルロボットは、ダイヘンが開発・製造する溶接現場特化型の協働ロボットシステム「Welbee Co-R」を、世界46,000超の製造現場で日々稼働しているURロボットの周辺機器プラットフォーム「UR+」製品として認証。セットアップのしやすさ、使いやすさを特長とする同システムは、日本の溶接機メーカーでは初のUR+認証製品となり、今月より販売されるとした(ダイヘン社ニュースリリース)。

冒頭に述べたような課題に対して、ダイヘンは、「ロボット専用スペース不要」「プログラム作成が容易で誰でも簡単操作」「安全柵が不要で既存ラインに導入可能」などを実現する、独自の溶接ノウハウを凝縮した「簡単な溶接教示」搭載の、溶接現場向け協働ロボットシステムを開発。このたびUR+製品となった「Welbee Co-R」は、アームを直接手で掴み、動かして動作を覚えさせられる。

中小規模の溶接現場でロボットとの協働を実現する

「ダイレクトティーチング」により、初心者でも容易に教示作業が行える。半自動溶接機用リモコンにより、稼働中であっても即座にアークの確認と溶接条件の調整が可能――。熟練溶接技能者が新人溶接工へアークの細やかな変化を都度その場で伝えることで、溶接のノウハウを教える技能伝授ツールとしても活用できる。溶接条件を設定する画面は1ページに所要機能を集約し、直感的に使えるユーザインターフェースを採用した。

中小規模の溶接現場でロボットとの協働を実現する

今回の協働ロボは、ボタンクリックで溶接プログラムの基礎となる10個のコマンド(溶接開始指示、溶接開始位置、溶接終了位置など)と各コマンドの説明が表示されるため、誰でも取扱説明書なしで簡単にプログラミング可能だという。