監視カメラのリファレンスデザイン、実設計ボードの提供も始まる

防犯や入退室管理もしくは混雑度合い測定などのために用いられる。監視カメラシステムは、近ごろ需要がいっそう高まっている。より高精度での物体検出及び認識機能の向上、従来のコントラスト方式よりも遙かに速いオートフォーカス(AF)機能が求められているという。

ルネサスは、ビデオセキュリティや監視システムにおける高精度な物体検出・認識ニーズに応えるため、超高精細(UHD)監視カメラのリファレンスデザインを台湾Novatek Microelectronics社と共同開発――このリファレンスデザインにより、実際にボードを設計した香港SystemTec社が、監視カメラモジュールをソフトウェアと共に提供開始したことを今月3日に発表した。

ルネサスの高性能CMOSイメージセンサ(CIS)と、NovatekのデュアルコアSoCイメージシグナルプロセッサを中心に構築されていて、システムで必要となるルネサスのICを複数使用している。CISボードには、RAA462113FYL、DC/DC降圧コンバータ、LDOレギュレータ、モータドライバ、レンズが搭載され、高性能イメージ信号処理(ISP)ボードには、SoCおよびハイブリッドAFなど関連コンポーネントが搭載されている。

今回の監視カメラリファレンスデザインは、高速な位相差オートフォーカス(PDAF)機能を備えたCISボード、ISPボード、AFズームレンズソフトウェアで構成されていて、4K高解像度、優れたカラー撮影、暗い場所での小さな物体の認識精度アップを実現する。PDAFによる高速オートフォーカス動作により、ユーザはより低価格なレンズを使用することもできる。

高性能な4KビデオカメラリファレンスデザインとソフトウェアをSystemTecが提供する。これにより、ユーザは、高速AFと高い撮像性能を備えたカメラシステムを、短期間で開発することが可能になるという。