食品の温度記録を自動化して帳票を作成する

世界各国で義務化が進む食品の衛生管理手法HACCP(ハサップ)が日本でも制度化されて今年6月に施行された。猶予期間は1年。2021年6月までに、食品を扱うすべての業種で体制づくりが必須であり、昨今のコロナ禍が、現場におけるHACCP対応を一層重いものにしている。

厚生労働省が専用サイトで情報提供している。HACCPに沿った衛生管理に取り組む組織及び現場では、管理の記録や帳票作成の負担が増している。新型コロナ感染対策も必要不可欠な現場では、消毒作業や換気など作業者の負荷がさらに増大しているという。ラトックシステムは、HACCPで必要とされている温度の記録を自動化し、帳票の作成までサポートする食品業界向けIoTシステム「ハサレポ」の提供を10月末に開始する。

一昨年に酒造3工程(麹、酒母、もろみ)の品温計測、記録、帳票印刷を支援かつスマホへの通知や品温確認もできるモニタリングシステム「もろみ日誌」をリリースした後、日本でのHACCP義務化を意識した食品分野からの相談を多数受けるようになり、この度の製品化に至ったという。ハサレポは、HACCPに沿った温度管理の記録を自動で残すことができる、食品業界向けの温度管理システムだ。

保管庫や冷蔵庫の温度を無線で送信、10分ごとに自動温度計測、本体の内蔵センサで室温・湿度も同時計測、計測データを蓄積してグラフ化・印刷も可能、設定温度範囲を超えたらスマホに警告通知、温度センサは設置しやすい電池駆動(電池寿命約1年)、温度センサMax.10台/ゲートウェイ接続可能、ゲートウェイ4台/PC接続可能、電源オンでかんたん接続といった特長を備えている。

食の安全性を保つ温度の計測から帳票作成までをハサレポがサポート、自動化により現場の負担を軽減するという。同社は、ハードからアプリまで一貫した自社開発が強みであり、今後も市場ニーズに応えた機能更新を予定している。