小型船舶に安全を届けるモバイルアプリ、衝突・接近予測機能がプラス

海上保安庁の取り組みにより、海難事故は減少しつつある。近年、船舶衝突事故はまだ多く、その7割がプレジャーボートや漁船などの小型船舶だ。ふだん操船していないプレジャーボートユーザーは特に注意を要する、急な周囲状況の変化に対応できず、事故に遭遇することがあるという。

JRCは、小型船舶の海難事故低減のため周囲舶の位置や、地震・津波による危険を通知し、安全安心をサポートする、スマートデバイス向けアプリ「JM-Watcher II」に衝突・接近予測機能――自船と他船の船速度と進行方向を測り衝突・接近を予測、衝突の可能性を警報メッセージと振動で知らせるしくみ――を追加した。今回のAndroid版アップデートに合わせて、iOS版アプリの提供も7月28日に開始した。

JM-Watcher IIは国土交通省の「船舶におけるスマートフォンアプリ活用のためのガイドライン」(PDF)に準拠し、水産庁の「小型漁船安全対策技術推進事業」に参画。スマホ船(同アプリ導入済みデバイス搭載艇)やAIS船(船舶自動識別装置搭載艇)など周囲の船舶状況の表示や通知を、自身のスマホ/タブレット端末に行うことで、船舶衝突事故を低減しうる。

新たな機能として衝突・接近予測機能を追加することで、より一層の船舶衝突事故低減を目指す。Android版とiOS版を提供することで、より多くの人の安全航行に役立てられる。新バージョンのアプリでは、地震・津波の速報でのお知らせや、リアルタイムの風向・風速など気象情報の閲覧、自船の進行方向表示機能をこれまでどおり利用でき、引き続き安全安心な航海のサポート、マリンレジャーの安全安心に貢献するという。

同社は、上記アプリに、AIS情報の提供範囲の拡大、定置網警報・事故ハザードマップの表示、背景地図を海図に変更などの機能を追加していくことで、更なる航海の安心安全、海洋の事故ゼロを目指していく考えだ。