行政用語を含む、他言語翻訳システムサービスを本格化

法務省によると昨年6月末の在留外国人数はおよそ283万、前年末よりも約10万人増加した。行政窓口を訪れる外国人も増え、その対応も複雑化の傾向にある。新型コロナ感染拡大の影響により、在留者数は減っても相談者は増えているはずで、自治体の窓口業務の負担が重くなっている。

今月16日、コニカミノルタは、多言語翻訳システム「KOTOBAL」の販売を開始した。タブレットを介してコミュニケーションを支援するKOTOBALは金融機関や薬局、行政機関への導入を目指して昨年10月より実証実験していたものであり、今回、新たに行政用語に特化した翻訳パッケージを搭載した。

各言語に最適な音声翻訳エンジンを採用することで、行政にかかる専門的な会話でも問題なく使えるよう改良した。KOTOBALは実験開始来、中野区役所、目黒区役所、三重県亀山市役所などで活用されていて、機械通訳で対応しきれない話の際には、ヒトによる通訳も可能。日常会話レベルの話では機械通訳を使用し、必要に応じてオペレータによる遠隔通訳を併用することで、コスト軽減にも繋がる。

日本語音声認識により、「障がい者」や「耳の不自由な高齢者」との意思疎通もサポート。自治体全体で配慮を要する人とのコミュニケーションにおいても壁をなくし、誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指すという。同社は、「政府機関等に向けた多言語自動翻訳システム利活用ガイドライン検討会」のメンバー(参考資料:総務省PDF)であり、セキュリティ対策等にも通暁している。

総務省の「地方公共団体の多言語翻訳システム導入に向けたガイドライン策定」調査事業を請け負っていて、セキュリティ要件等に関する不安解消と運用体制の構築を豊富なノウハウでサポートする。クラウド導入のイロハも提供することで、安心して利用できる体制を構築する。今後、行政や自治体の受付窓口へ、KOTOBALの導入を拡大していく計画だ。