複雑な操作を長時間にわたり繰り返す必要がある。超大型油圧ショベルの運用における安全性や生産性は、オペレータの技能や経験に大きく左右されるため、オペレータの技能に左右されない生産体制の構築と、オペレータの作業負担の軽減が、鉱山現場での重要課題の一つになっているという。日立建機は16日、超大型油圧ショベル自律運転の開発に向けた実証実験を、オーストラリアの鉱山にて'21年度から開始すると発表した。
鉱山現場の安全性・生産性向上を目的に、まず、オペレータの労働環境改善と安全確保のため、超大型油圧ショベルの遠隔操作システムを開発。このシステムには、実機にオペレータが搭乗した時と同等の作業性を確保するため、他の鉱山機械との衝突を回避するなど運転支援システムを組み込む。そして、掘削・積込などの作業の一部を自動化し、遠隔オペレータ1人が複数の超大型油圧ショベルを運用できるシステムを開発する。
各段階を踏み、最終的には自律運転機能を有する超大型油圧ショベルの開発をめざす。いずれのシステムも超大型油圧ショベルEX-7シリーズに後付できる仕様とし、顧客が保有する現行機を活用しながら、自律型オペレーションに対応できるようにする。今回の取り組みによる将来の自律運転は、単独での導入も可能であるうえ、大規模鉱山で多くの導入実績がある子会社Wencoの鉱山運行管理システムとの連携も可能だという。
自律運転する超大型油圧ショベルがダンプトラックや他の機器と情報のやり取りをするしくみを実現することで、日立建機はさらに高い安全性と生産性の両立をめざしていく。