スマートグラス×5Gネットワーク、現場の作業を遠隔支援

超高速・大容量、低遅延、同時多数接続が特長の5Gの商用サービスが開始された。日本においてそれは、様々な仕組みのデジタル転換を進めている産業界からの期待も大きく、たとえば製造・社会インフラの保守作業、機器や工程の遠隔教育等にAR(拡張現実)を活用する基盤となる。

サン電子NTTドコモは今月13日、ARスマートグラスと5Gネットワークを用いて、リモート環境から現場に的確な指示を出せる遠隔作業支援ソリューション「AceRealⓇ for docomo」を法人顧客向けに提供開始する。同ソリューションは、スマートグラス(AceReal®One)、業務支援アプリ、サポートサービス、セキュアかつ低遅延な「クラウドダイレクト™」がセットで、遠隔からの現場作業を支援する。4G(LTE)エリアでも利用可能だという。

現場作業者がARスマートグラスを装着し、映像や音声を遠隔支援者にリアルタイムに伝送する。クラウド基盤「ドコモオープンイノベーションクラウドⓇ」上にある業務支援アプリケーション「AceReal Apps」を活用することで、支援者はPCを用いて作業者が必要とするマニュアルや、作業指示を書いた画像等をスマートグラスに表示させることができる。

利用シーンとして、主に製造業における製品の保守メンテナンス業務や、電気・ガスなどインフラ業における設備点検業務、農業におけるベテラン農家から新人農家へのノウハウ伝達などを想定している。これまでベテラン作業者がスキル伝達する相手と同行することが多かった、現場にて、「AceReal for docomo」を活用すると、業務の効率化や出張コストの削減、さらには新型コロナの感染症対策としても有効だという。

両社は今後も、それぞれの製品・技術・サービスを通じて新しい価値の創出や社会課題の解決に貢献し、顧客の生活がより便利で、豊かなものになるよう努めていく構えだ。