厚生労働省推奨の"正しい手洗い"をAIが判定する

新型コロナの感染拡大が止まらない。昨今、世界的に手洗いの有効性が注目されている。日本においては今年6月に施行された改正食品衛生法により、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が義務化されている。

HACCPの解説サイトを設けている厚生労働省が推奨する「正しい手の洗い方」(PDF資料)は今、必須の処置である。食品を扱うすべての業界では、正しい手洗いの実施を含む、食の安全性を確保するための体制づくりが急務になっているという。コンテックは、AI(人工知能)技術を活用して3Dカメラのリアルタイム映像から正しい手洗い動作を高精度判定する、新たな技術を開発したと今月9日に発表した。

厚労省推奨の「正しい手の洗い方」6ステップにおいて、各洗浄ステップが正しい動作で必要時間おこなわれたかを95%以上の精度で判定することができる。「AI技術を応用した手洗い判定システム」では、消毒液やハンドソープを付けての手洗いや、流水状態での手洗いなど、通常の画像処理では難しい状態でも正確に認識して判定する技術を確立したという。

同社は、実証実験を通じて上記技術を利用した価値創出と社会課題の解決を目指す、共創フィールドパートナーの募集を同日に開始。手洗い判定技術に興味があり、"顔認識技術を組み合わせた衛生管理記録システム"、"正しい手洗いを促すガイダンス表示付きシステム"、"基幹情報システムと連携した総合システム"の共同検証に取り組んでくれる企業やシステムインテグレータを募っている。

共創のしくみにおいて、ソフトウェア、AIエッジコンピュータ等の機器、管理用パソコンなど、実証実験に必要なシステム構成を幅広く支援するという。同社は、このたび確立した技術により、飲食店、食品工場、医療現場などにおける手洗いの実施漏れ防止や監視員の工数削減など、課題を解決するとともに、食の安全確保や感染症予防に貢献していく考えだ。