マンションの外壁タイル打診調査にMR技術を活用

瀟洒(しょうしゃ)なマンション。外壁がタイル貼りの中高層の集合住宅は、そんな言葉がピタリとくる。そしてそのような外観を長く維持することは、ただ美しさのためだけでなく、法律による定めでもある。

マンションの外壁は、劣化等による剥落リスクを抑えるためにも、定期的なメンテナンスが必要だ。平成20年の建築基準法施行規則の一部改正では、10年ごとにタイル貼り、石貼り、モルタル等の歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の外壁について、全面打診調査が義務付けられている(参考:国交省告示第二百八十二号PDF)。

長谷工コーポレーションアウトソーシングテクノロジーは、日本マイクロソフトと連携して最先端のデジタル技術を活用した建設・不動産業界における生産性改革を推進する。その一環として、マンションの外壁タイル打診検査のためのMR(複合現実)ソリューション「AR匠RESIDENCE」を共同開発――このしくみを今月より、長谷工リフォームが建物診断を行う関東エリアに導入し、順次全国へ広げていく予定だとした。

マンションのタイル打診検査にMRが活用されるのは国内初(日本マイクロソフト調べ)だという。現場の作業員(検査者)がマイクロソフトのヘッドマウントディスプレイ「HoloLens 2」を装着して点検記録を行う。長谷工が先月おこなった実証実験において、従来の打診検査との比較で、現地での建物診断の作業量は変わらず、報告書作成業務がほぼ半減したことから、全体業務の約30%を削減できることが判明した。

上記結果を受けて、人手不足と新型コロナへの対策としても期待される同ソリューションを展開する。アウトソーシングテクノロジーは、年内に他の建設・リフォーム会社を対象に販売受付とトライアル運用を開始――。3社は、今回のソリューション展開を皮切りに、建設・不動産業界における生産性改革や働き方改革に貢献していくという。