健保組合員、生活習慣改善の相談をリモートで

過去の調査結果によると、日本人の死亡原因の約6割を生活習慣病が占める。不健康な生活習慣による肥満症、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの患者は、重症化と合併症のリスクがあり、いずれ日常生活に支障がでる可能性がある――ところへ新型コロナの危険性が加わった。

「我が国の保健医療の現状と課題」(厚労省PDF資料)に生活習慣病の進行モデルが示されている。が、それは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に流行する前の話であって、現在、生活習慣病の疾患者は同ウイルスに感染した際、重篤化のリスクが高いと考えられている。特定保健指導対象者が生活習慣を改善する重要性が改めて見直されているという。

エプソンは、約9年前から提供している健康保険組合向け「生活習慣改善プログラム」について、これまでの対面式の面談に加えICT(情報通信技術)を活用した遠隔面談に対応――7月1日より提供すると発表した。これにより、厚生労働省の定める特定保健指導を初回面談から終了時評価まで、すべてオンラインで完結することが可能になるという。

同プログラムは、厚労省が定める40歳~74歳を対象とした特定健康診査において生活習慣病の発症リスクが高いと認められた、特定保健指導対象者に提供する。運動や食事の改善、体重変化といった活動データをもとに専門の健康相談員(保健師または管理栄養士)が指導・支援するパッケージ・サービスである。

'11年10月に開始し、昨年度プログラム受託数138組合、年間約2万人の実績、累計の実施数では約8万5千人となった。「生活習慣改善プログラム」では直接対面式を重視してきたが、より多くの対象者にしっかりとした指導を受けて欲しいとの健保組合からの要望や、緊急事態宣言が発令された際には対象地域では直接対面の指導を行わないようにとの厚労省通達もあり、今回、遠隔面談を選択肢として追加することにしたという。