混雑やマスクの有無をカメラ1台の映像でAI解析、マルチサービスへ

人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)など最新かつ先端的なデジタル技術を駆使して、産業および社会のしくみをより良い方向に変えていく。デジタルトランスフォーメーションが緒に就いたばかりの日本も、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに襲われた。

コロナ禍の第1波を乗り越え、経済活動を再開しながら第2波の襲来に身構えている。あらゆる物事および仕組みにおいて、新常態(ニューノーマル)を意識する、"withコロナ"の時代に突入した――。今月1日、九州電力オプティムは、AI技術を活用した「多目的AIカメラサービス」が福岡市実証実験フルサポート事業「Beyond Coronavirus」に採択された(参照PDF資料)ことを受け、本年度、福岡市内にて実証実験を行う。

「多目的AIカメラサービス」は、1台のカメラで撮影した画像をAIで解析し、混雑検知やマスク装着有無の判別など複数のサービスを同時に提供するものである。一つのカメラで複数のサービスを利用でき、カメラの増設が不要であることから、必要なサービスを柔軟かつ安価に利用することが可能になるという。

今回の実証実験において両社は、福岡市内の公共施設等に同サービスを提供し、その有用性や技術的課題、運用上の課題等を検証する予定であり、実験結果をもとに、今後のビジネスモデルの検討を行う。「多目的AIカメラサービス」の提供により、COVID-19を予防する、新しい生活様式を取り入れたまちづくりに貢献していく。

AI・IoT等を活用した新たなサービスや新規事業の検討・開発に関する「戦略的提携」を一昨年に締結していて(プレスリリース)、このたびの実証実験はこの提携に基づく共同案件だという。両社は、これらの取組みを通じて新たな事業の創出を図る。九州の発展に寄与するとともに、九州域外さらには海外へと新事業の展開を進めていく考えだ。