タッチレスで移動などを実現するしくみに発熱検知システムを追加

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行をきっかけに、社会の在り方や人々の生活様式が変容――新常態(ニューノーマル)へと移りつつある。ビル等建物分野においては、エレベーターなど共用設備に手を触れない形での移動や、人との接触機会の低減が求められている。

感染リスク低減施策の一つに、来訪者らの検温があげられる。不特定多数の人が訪れる施設で導入されつつあるサーマルカメラはしかし、現場運用に多くの人手がかかっていて、担当者の感染リスク低減も課題になっているという。日立製作所日立ビルシステムは、建物内の非接触での移動・生活を実現するタッチレスソリューションのラインアップとして、サーマルカメラによる発熱者検知システムの提供を新たに開始する。

それとともに、サーマルカメラで検知された発熱者の情報をリモートで確認できる機能などを追加。これを統合型ファシリティマネジメントソリューション「BIVALE」などと連動させることにより、サーマルカメラの運用で現場に常駐する担当者人数の縮減を実現し、負担軽減と感染リスク低減に役立つ運用支援ソリューションを7月1日から販売する。

BIVALEに追加したサーマルカメラの遠隔モニタリング機能により、建物エントランスなどに設置したサーマルカメラで発熱者を検知すると、その情報をビル管理者にメールで通知――管理者が映像を確認して対象者を特定することを可能にする。サーマルカメラとロボットとの連動による現場対応支援や、BIVALEで管理するセキュリティゲートなど設備との連動による入館管理もできる。

ビルの運用に合わせた対応を検討し、サーマルカメラ運用時の負担軽減と感染リスク低減を具現化するという。両社は今後も、ニューノーマルに対応したビル・マンション向けの製品およびサービスの開発と提供を進め、安全・安心・快適な建物内の移動と生活の実現に貢献していく構えだ。