医療機器承認されたAIソフトで胸部全体のCT画像を解析

人工知能(AI)の活用が様々な分野で進んでいる。昨今のAIは画像認識・解析を得意としていて、医療分野においては、CTなどの医用画像をみてする医師の診断をサポートするしくみと、ディープラーニング(深層学習)の研究が盛んである。

6月29日、シーメンスヘルスケアは、CT画像から肺、心臓、大動脈を自動解析するため、AI技術を用いて開発されたソフトウェア「AI-Rad Companion」の医療機器承認を6月19日付で取得したことに加え、昨年4月より試験提供してきた「胸部CT画像AI解析受託サービス」の販売を開始することを発表した。同サービスの販売にあたっては、コニカミノルタジャパンとの協業が決定しているという。

AI-Rad Companionは、胸部全体のCT画像から肺や心臓、大動脈などの複数部位を一度に解析できるAI画像診断支援ツールで、ディープラーニング技術を用いて肺結節の検出や測定、大動脈の直径の測定などを自動で行い――肺における肺気腫率(LAA%)の計測、肺結節の検出と大きさの計測、心体積の計測、冠動脈の石灰化検出および石灰化の定量化、大動脈直径の計測などのレポートを生成する。

胸部CT画像AI解析受託サービスは、シーメンスヘルスケアが医療機関から胸部CT画像の解析を受託、受け取った画像をAI-Rad Companionで解析し、成果物としてレポートを生成――。同社のエンジニアがその解析レポートを受託元の医療機関に送付する。解析を行うソフトウェアは医療機器承認を取得したAI-Rad Companionの最新バージョンを使用し、結果を提供するという。

上記サービスの利用は、同社が提供するクラウドサービス「teamplay」の接続環境下であることを要す。さらにteamplay上で画像共有をするためのアプリケーション「teamplay Image」を使う必要があるとのことだ。