脳卒中・片麻痺患者の自宅リハビリ、セラピストがオンラインで支援

毎年23万人以上が新たに発症する、日本国内の脳卒中患者は約111万人いる(厚労省平成29年患者調査)。脳卒中は日本人の死因の第4位。要介護の要因としても第2位の多さだが、医療保険でリハビリテーションが受けられる期間には制限がある。

怪我・病気・障がいの種類による各期限日数を超えると、介護保険で受けるリハビリに移るため、「リハビリを受けられる時間が短い」「リハビリ方法を忘れてしまう」「リハビリのモチベーションが維持できない」などの声が寄せられているという。

エクサウィザーズ
と北原病院グループ(KNIKMSI)は今月25日、共同開発したオンライン遠隔リハビリサービスの試験導入を北原リハビリテーション病院で開始した。感染症対策にも有効である。同サービスでは、入院中に自主トレーニングに取り組みたい人や、退院後も運動リハビリトレーニングに取り組みたい人を対象に、専用アプリを通じて遠隔からオンラインで支援を行う。

利用者(iPadをレンタル使用)は、リハビリ状況に応じてセラピストから案内されるトレーニングメニューを参考に、運動の様子をアプリで撮影。担当セラピストはその動画を確認して適切なフィードバックをアプリで送る。これにより、自宅に居ながら施設でのリハビリ指導を受けているような体験を実現する。AIを用いた骨格抽出技術により、患者の手の動きを自動で認識し、画面に触れずジェスチャーでアプリ操作をすることもできる。

運動の様子をAI解析して、一人ひとりのペースに合わせた運動速度によるトレーニングプランを提供する機能や、患者へのアドバイス内容を学習したAIが動画の確認と解析を実施し、セラピストにアドバイスを提示する機能も搭載予定――。AIとセラピストが協働しながら遠隔リハビリ支援をすることで、セラピストは利用者とのコミュニケーションにより多くの時間を充てられるようになるという。