「附属物(標識、照明施設等)点検要領」なるものが国交省より示されている(平成31年3月同省PDF資料)。道路法(昭和27年法律第180号)第2条第2項に規定する道路附属物のうち、上記の物を対象とした定期点検に関して、標準的な内容や現時点の知見で予見できる注意事項等について規定したこの要領書をみて、膨大な数のこれら附属物をすべて人力で行っているのかと思うと気が遠くなる。
今月25日、古河電工とゼンリンデータコムは、ドライブレコーダーの映像と独自の人工知能(AI)技術を活用して、道路標識・照明・カーブミラーなどの小規模道路附属物の位置や属性情報を検出し、定期点検の記録様式である点検表を自動作成するサービス「みちてんスナップ」の提供を開始した。同サービスはAI/AR(拡張現実)技術を用いて道路施設の維持管理の手間を大幅に削減する。
市販のドライブレコーダーを取り付けた車両で点検対象道路を走行。走行動画データを「AIによる道路附属物画像認識技術」により解析し、国土交通省の点検要領に基づいた道路附属物の点検表を作成する。点検表にはゼンリンの詳細な地図データを活用し、道路附属物の正確な位置を把握することでより効率的な作業が可能になる。
「みちてんスナップ」により、人海戦術で対応していた道路附属物の点検・維持管理を、時間や人手をかけず低コストで簡便に行える。作業時間は1/10以下になるだろうという。両社は今後も、自治体が直面しているインフラ設備のメンテナンスにおける課題の解決と安全・安心に生活できるまちづくりに貢献するサービスを提供していく考えだ。